【歌詞考察】欅坂46『10月のプールに飛び込んだ』。現実逃避先が【10月のプール】 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】欅坂46『10月のプールに飛び込んだ』。現実逃避先が【10月のプール】

 主人公の「僕」は【10月のプール】に現実逃避

水面


不思議なタイトルです。7月や8月に、プールへ飛び込むのは理解できます。
なぜ、10月なのでしょうか。

歌詞に、次のような表現がありました。主人公は、現実逃避をしたくて、プールに飛び込んだと解釈しました。


・ここで不平不満言ってサボっててもしょうがない

・誰にも邪魔をされない本当の自由 確かめたかった 何もしないのは 傷つきたくないってことだろう?もっと ジタバタしてかっこ悪くたっていいじゃないか?

・水の中は平等だ


不平不満がどういったものかは具体的に書かれていません。水の中に平等を感じていますから、成績による序列に不満があるのでしょうか。
いづれにせよ、想像の余地があって、主人公に自分を重ねることができますね。


メンタルを安定させるために現実逃避をするべき

校舎


私、のら猫ひろしの学生時代の不満は、病気に振り回されて学業に身が入らなかったことです。
通信制高校に転学してメンタルに注意を払っていたら、希望の大学に進学していたはず。そうすれば今頃は…と四半世紀以上も、夢想し続けています。
現実逃避できる主人公の「僕」が羨ましいです。
なぜなら、「僕」は、10月のプールに飛び込むことで、以下のような開放感を持ったからです。


教室の窓 みんながこっち見て騒いでる そしてずぶ濡れで震えてる僕は中指を立て 大声で言ってやったんだ できるものならやってみろよ


目が点のクラスメイトや、苦笑いの教師の画が思い浮かんで爽快ですね。
「僕」の現実逃避先は【10月のプール】と言えます。
私は学生時代を思い返して、自分にとっての【10月のプール(現実逃避先)】は、通信制高校だと感じました。
「僕」のように思い切ってそこへ飛び込みたかったと切なくなります。

そして、びしょびしょの足跡が廊下に残っている 教師は何も言わなかった 僕に興味がないんだろうという歌詞からは、人は自分を見ているようで見ていないよというニュアンスを感じました。

そういったことを踏まえると、『10月のプールに飛び込んだ』には、自分らしく生きなさいというメッセージが込められているように思えてなりません。

まとめ

  • 学生の主人公は、不平不満を抱えている
  • その不平不満を解消させるべく【10月のプールへ】
  • 【10月のプール】は、現実逃避先
  • 窓から眺める学生たちに、優越感を抱く主人公

『10月のプールに飛び込んだ』は、2020年10月に発売された欅坂46のベストアルバム「永遠より長い一瞬〜あの頃、確かに存在した私たち〜」TYPE-Aに収録されています。

歌詞は、秋元康さん。