意中の人が、自分を好いていると分かると興ざめする
次の歌詞から分かるように、主人公「私」が超能力者ということで、今までの日向坂46楽曲とは毛色が違います。
・超能力もらっても嬉しくない
・誰だって目の前に立つだけで今何を考えてるかわかるの
・See Through 見えちゃうよ
「私」がテレパシーの能力者であることを踏まえて、気になった歌詞に、Do I wanna know? があります。
意味は、<知りたいのかな?>という自分への問いかけでした。
超能力もらっても嬉しくないのですから、「私」は人の気持ちを読めることに、喜びを感じていません。
なので、Do I wanna know?という疑問に、超能力を手に入れてまで人の気持ちを読みたくないというニュアンスを感じました。
では、具体的に誰の心が読めて、何を読み取ったのでしょうか。
それが分かる歌詞に、次の表現がありました。
・大好きなあなたまで 手に取るように読めるなんて自分のこと嫌になる
・私をどう思っているのか知りたくなんかなかったのに
・ねえ想定外の ねえ 愛を教えて
意中の人が、自分のことを好いていることが分かってしまうことに「私」は不満を抱えています。彼女は、自分は好かれているのか?というスリルを感じることがないから、恋を楽しめないのでした。
相手の仕草で、自分への好意を推し量るのが楽しい
個人的に、片思いの相手の気持ちが読めたらなあと妄想するタイプです。自分に気持ちがあると分かっていれば、距離を縮めるのが楽だからです。
でも、主人公の「私」が言うように、人の気持ちが分からないからこそ恋は楽しいです。気持ちがまだ分からない未開封だから恋という歌詞に共感しました。
相手の仕草で自分への好意を推し量りたいという「私」の願望が、反映されています。
相手に拒否感を覚えている人の、腕を組むとか背中を向けるという姿勢は、クローズポジションと言われています。
逆に、相手が、正面をこちらに向けて快活に話すなどの態度は、オープンポジションと呼ばれていました。
オープンポジションが確認できれば、少なくとも自分は嫌われてはいないと予想できます。
そういった、片思い相手のオープンポジションを把握しながら恋をしたいというのが、主人公「私」の願望だと解釈しました。
まとめ
- 主人公「私」はテレパシー能力者
- 意中の人の心が自分にあると分かって興覚めの「私」
- 「私」は、人の心が分からないからこそ、恋は楽しいと考えている
Amazon Music で『See Through』を聴く
『See Through』は、日向坂46のファーストアルバム「ひなたざか」の通常盤に収録されています。
歌唱メンバーは、なおみく(小坂菜緒、金村美玖)。歌詞は秋元康さん。