砂塵は、「僕」が「君」に抱いていたネガティブな印象
『砂塵』には、「君」と言葉を交わしたことで、恋に落ちた「僕」の恋心が描かれていました。
砂塵は、会話を交わす前の『君』に勝手に抱いていた『僕』のネガティブなイメージということになります。
次の歌詞で、砂塵がどういうものなのか理解できました。
・心が変わってく瞬間に 静かな風が含んだ過去の何かが散らばり ざわざわすることを知った
・初めて話した君は 遠くのイメージと違った 気さくなその微笑みに 勝手に惹かれたんだ
・いろんな先入観で誰もが思い込んでしまう君ってどういう人か 僕にもわかったんだ
「僕」が「君」を遠くから眺めていた時は、ネガティブな印象しか持っていないことが分かります。
「君」の顔が整っていて、クールな印象でも持っていたのではないでしょうか。
そんな彼女が、声をかけて人懐こい笑顔をしたものだから「僕」は恋に落ちたに違いありません。
いわゆるギャップ萌えでしょう。遠くから眺めている時に抱いた印象が、剥がれた瞬間でもあります。
その剥がれた印象が、砂塵であると解釈しました。
砂塵は、パブリックイメージとも言える
映画
— 志尊淳 (@jun_shison0305) September 17, 2020
〝さんかく窓の外側は夜〟
2021年1月22日公開決定。
無事公開できますように。#さんかく3兄弟#長男と末っ子のじゃれあい#止める次男#日常 pic.twitter.com/12fwYlZ2PS
『砂塵』は、パブリックイメージといった芸能人に対する印象も当てはまると思いました。
(※パブリックイメージ ⇒ 広く一般に認識されているイメージ)
例えば、2020年の初頭に欅坂46を脱退した平手友梨奈さん。
私が、欅坂46を知ったきっかけは、「ガラスを割れ!(2018)」でした。
この楽曲で、平手さんにクールな印象を持ちました。
また、「ガラスを割れ!」が発売された2018年は、彼女に対するバッシングが酷かったように記憶しています。
うつむき加減で笑わなかったからでしょう。精神状態を心配する声も上がっていました。
そういった平手さんに対して持った<笑わない>という印象も、パブリックイメージと言えます。
そのイメージでファンになった人もいれば、素の平手さんを知ってファン化した人もいることでしょう。
平手さんは、2021年1月公開予定の映画「さんかく窓の外側は夜」に、ヒウラエリカ役として出演します。
共演者の志尊淳さんのツイッターを見ると、平手さんに対して持った<笑わない>というパブリックイメージが、砂塵と化します。
そういったことで、砂塵は、ギャップ萌えの痕跡だと解釈しました。
まとめ
- 主人公の「僕」は「君」に話しかけたことで、ネガティブな印象が崩れて好意を持った
- いわゆるギャップ萌え
- その崩れたネガティブな印象が、砂塵である
- 砂塵は、パブリックイメージ
- 平手友梨奈さんのパブリックイメージは<笑わない>
- その<笑わない>というパブリックイメージが崩れた時、ファン化する
『砂塵』は、2020年10月に発売された欅坂46のベストアルバム「永遠より長い一瞬 ~あの頃、確かに存在した私たち~」TYPE-Aに収録されています。歌詞は、秋元康さん。