【歌詞考察】乃木坂46「何もできずにそばにいる」。一切皆苦(全てが苦)でも希望を持つ方法 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】乃木坂46「何もできずにそばにいる」。一切皆苦(全てが苦)でも希望を持つ方法

歌詞の意味を考察・・・一切皆苦(思い通りにならない人生)でも、希望を持つ方法


生かされているという感覚を持つ

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タイトルから、愛しい人を守れないことで無力感に苛まれている主人公の画が思い浮かびました。

「僕」という一人称は、学生を思わせます。経済力もなければ、医者でもないでしょう。

そんな「僕」は、愛しい人が嘆き苦しんでいるのを目の当たりにしています。

彼が、自分にできることを考えた末に出した結論は、愛しい人の傍にいることでした。

傍にいることしかできない「僕」の、もどかしさが次の歌詞で表現されていると思います。

泣けば心を洗い流してやがて笑えるんだごめんねそんなことしか言えない

泣いている「君」は、何に困っているのでしょうか。それがわかる具体的な表現は見当たりませんでした。

ただ、泣いてる震える手を握ろう・・・鼻水すすって泣き止むまで・・・という歌詞で、「君」が、何かに打ちひしがれている様が、目に浮かびます。

釈迦の言葉を借りれば、大きな苦しみは、生・老・病・死の4つがありました。

その4つに、別離や、恨み、欲しいものを手に入れられない、執着の4つが加わります。

その8つの苦しみを、軽減しようとしても、コントロール不可能だから、厄介でした。

「君」を泣かせて震わせたのは、8つの苦しみの内どれなのかは、わかりません。

繋いでいる男女の手

ただ、確かなのは、「君」に対する「僕」の愛情だと思いました。

次の歌詞のような「僕」の存在は、「君」に取って心強いでしょう。

僕の胸に顔うずめ 大きめのハンカチと思って どんなに深い瞳の井戸もやがて枯れるはず

もちろん、顔をうずめたところで、悩みがなくなることはありません。

それでも、共感してくれるだけでも有り難いことです。

「僕」に寄り添われたことで、「君」の心は軽くなったと思いました。

そうであれば、思い通りにならない人生でも、生かされていることになると考えます。

終わりに

四苦八苦は、生・老・病・死と、別離に、恨み、欲しいものが手に入らない、執着してしまうことを言いました。

その四苦八苦に苦悩する人に対して、お釈迦様は、頼りになるのは真実と自分だけと説いています。

真実とは何でしょうか。それは、人生は思い通りに行かないという事実でした。

だから、人は自身で、一切皆苦(結局の所、全てが苦)を理解することが必要なのです。

それでも、生かされているという自覚があれば、幸せに生きることは、可能だと言います。

それを踏まえると「君」は「僕」に生かされていると思いました。決して、「僕」は、無力ではないと解釈します。 終わり


■何もできずにそばにいる■
乃木坂46「何もできずにそばにいる」は、9thシングル「夏のFree&Easy」(2014)のカップリング曲になります。

歌詞は秋元康さんでした。