乃木坂46 ユニット曲「行くあてのない僕たち」歌詞考察。僕たちに行くあてがない理由 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

乃木坂46 ユニット曲「行くあてのない僕たち」歌詞考察。僕たちに行くあてがない理由

歌詞の意味を考察


学生の「僕」と「君」は、駆け落ち同然に夜行バスに乗り込んで、行くあてがない


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行くあては、出向いた先で頼りになる場所という意味になるでしょうか。

だから「行くあてのない僕たち」は、旅行に出たものの泊まる場所がないとか、頼ることができないという解釈ができました。

ですが、「あて」は、将来に対する見込みという意味があります。

なので、将来に対する見込みがないということで、行くあてがないと考えることもできました。

そうしますと、人生の節目に訪れるライフイベントにまつわる切なさが、「行くあてのない僕たち」というタイトルから想像できます。

例えば、受験とか就職などにおいて、主人公が無力感に苛まれているような世界観が思い浮かびました。

次の歌詞から、主人公の置かれている状況がわかります。

夜明け前 サービスエリア止まる長距離バス・・・生まれた街を捨て 君の手を引きながら偶然乗り込んだこの夜行便・・・理想だけでは生きて行けない 愛は無力なものだね

「僕」と「君」の駆け落ちを思わせる表現になっていました。

バスのモノクロ写真

偶然乗り込んだという歌詞から、「僕」は計画的に動いていないことがわかります。

そして、冷静になって、理想や愛だけではやっていけないと考えているようでした。

経済的な問題に頭を悩ませているかのようです。

この時の「僕」の心情を思わせる表現が、人もまばらな駐車場には エンジンをかけたままの寂しさが 響いている、という歌詞になっていると思いました。

なぜ、「僕」は、まばらな駐車場に停まる夜行便のバスに寂しさを、感じたのでしょうか。

その理由は、次の歌詞でわかります。

今なら戻れるよ 遅刻で済むけれど このまま乗り込めば 無断欠席 衝動だけで動いた愛は誰を傷つけてしまうのだろう?

遅刻無断欠席で「僕」と「君」が、学生だと想像できます。

ならば、経済的にやっていけるわけがありません。そんな状況で、被害を被るのは「君」でしょう。

そして、衝動だけで動いた愛は誰を傷つけてしまうのだろう? という歌詞は、

自身の無計画性や、「君」を傷つけてしまうことも全てわかった上で抱いた「僕」の心境だと思いました。

ただ、「僕」には、過去も未来も 君がいるなら 何も怖くなかった、という歌詞があります。

一方で、僕らはしあわせなのか? 明日はしあわせなのか?という歌詞もありました。

「君」がいるなら、「僕」はやっていける自信があるように思います。

ですが、「君」がしあわせになれるとは限らないという不安が感じられました。

「行くあてのない僕たち」は、学生でありながらも、駆け落ちをする「僕」と「君」の先行きが見通せない不安がテーマだと思います。 終わり



■行くあてのない僕たち
乃木坂46 ユニット曲「行くあてのない僕たち」は、3枚目のアルバム「生まれてから初めて見た夢」(2017)の収録曲でした。

また、2016年の夏に発売された15枚目のシングル「裸足でSummer」のカップリング曲でもあります。 歌詞は秋元康さん。

歌唱メンバーは、伊藤万理華・井上小百合でした。



■「行くあてのない僕たち」のショートムービー予告編■
「行くあてのない僕たち」のショートムービー予告編が、乃木坂46のOFFICIAL YouTube CHANNEL で公開されています。

このMVに、永遠の楽園の台本が登場していました。 永遠の楽園と言えば、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた 予告編」(2014)が想起されます。

「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた 予告編」(2014)では、伊藤万理華・井上小百合が、演劇部に所属する高校生を演じていました。

だから、「行くあてのない僕たち」のショートムービー予告編は、「あの日 僕は咄嗟に~」の後日談と言えるMVと言えます。

 MVが繋がっているなら、歌詞も繋がっているのではないかと思いました。

実際に、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」のあの日に、「行くあてのない僕たち」を重ねると、しっくりきます。

なので、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」の、たった一つの秘密作ってしまっただけで君と僕は違う空を見ている、という表現が切なく感じました。