『嘆きのDelete』歌詞の意味を考察
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『嘆きのDelete』は、失恋の痛手に苦しんだ人であれば共感できる歌詞になっています。そして、失恋による傷心を、どう癒せば良いのか考えてみました。
失恋したら、とことん悲しむのだ【喪の仕事byフロイト】
Deleteは、削除という意味です。タイトルだけで、失恋といった世界観を想像できますね。
次の歌詞からも、主人公が失恋の傷心を抱えていることが分かります。
好きになったこと それを後悔はできないけど 僕らが出会ったこと 恨むしかない 君のことはDelete 過去をすべて消したい 何か思い出すと苦しい 恋の日々はDelete Keyを押して削除
失恋の経験は誰でもあるでしょう。振られたり、突然の音信不通など。
自分の言動や態度のどこがいけなかったのか心当たりがないと、つらいですね。いっそのこと思い出ごと消去したいですから、共感しました。
失恋した時、どうすれば良いのでしょうか。
時間が薬になるという考え方があります。時間が経てば傷が癒やされるという【時薬】です。
私は、振られた時、ひたすら寝ました。ふて寝とも言えますが自分なりの【時薬】と言えます。
振られると、二日間ぐらい食欲が失せるものですが、意外とケロッとするものです。
もちろん、全ての傷心が癒えることはありません。当時の彼女と一緒に鑑賞した映画のタイトルを見ると、多少苦しくなります。
独り身になってから若いカップルを見かけると、あの頃は楽しかったなあと思い返してチクチク胸が痛くなることもありました。
それでも、ジークムント・フロイトは【泣くだけ泣けば、時間はかかるが悲しみから解き放たれる】と言いました。
その過程を、彼は【喪の仕事】と表現しています。【時薬】と同じ考え方ですね。
『嘆きのDelete』の主人公は、まだ【喪の仕事】の途中と言えます。
歌中の新しい彼女できちゃえば上書きされるという表現は、別れた恋人に投げかけられた言葉と解釈できます。
この上書き発言に対して、主人公は、気を遣った優しさと胸の内で呟いています。新しい恋で彼女を忘れることができれば、【喪の仕事】が明けたことになります。
それまで、悲しむだけ悲しんで時間の経過を待つのです。
加藤史帆さんのソロ曲『嘆きのDelete』は、5枚目シングル「君しか勝たん」(TYPE-A)の収録曲です。歌詞は、秋元康さん。
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