本記事は、以下の内容になっています。
①『僕は僕を好きになる』の主人公「僕」が、自分を受け入れ始めた理由
⇒成功にこだわらなくなったから(目標を達成できなくても幸福であることに気づいた)。
②成功にこだわり過ぎると病みやすい。これは、実写版MVの楽曲タイトルで、ひっくり返っている「僕」である。
③『僕は僕を好きになる』のMVアニメバージョンのあらすじと感想。
終わりに、選抜メンバーのフォーメーションを書きました。最後まで、ご覧ください。
成功に、こだわらなくなった主人公
次の歌詞で、夢破れて傷心状態の主人公が、最終的に自分を好きになったことが分かります。
夢なんか競い合って手にする幻想 (幻想) 何回も明日こそって期待した未来 (未来) 裏切っていたのは誰でもない僕だ (僕だ)
今の場所 受け入れればいい そんなに嫌(いや)な人はいない やっとわかったんだ 一番嫌いなのは自分ってこと 僕は僕を好きになる
主人公は、成功にこだわらなくなったことで、自分を受け入れたと解釈しました。
置かれた状況がボジティブであろうとなかろうと、存在しているだけで幸福なのでしょう。
哲学者・三木清の言葉を思い出しました。
彼は、人生論ノート(1947)で【幸福は存在に関わっている。それに反して成功は過程に関わっている】と述べています。
夢に破れたときに努力を否定しては、幸福になれないということです。だから、主人公のように、成功にこだわるのを止めるべきなのです。
主人公「僕」が、夢に破れた自分を好きになったのは、三木清の言葉を借りて【幸福が存在に関わった】からだと解釈しました。
目標に達しないというネガティブな状況でも、幸福なのです。
ここで、実写版のMVの楽曲タイトルの「僕」がひっくり返っている理由が分かりました。
ひっくり返っている「僕」は、【幸福が存在に関わる】前の状態です。いわば、夢が叶わず気落ちしている状況と言えました。
ひっくり返った「僕」を好きになった「僕」は、【幸福が存在に関わっている】状態です。
つまり、夢が叶わなくても幸せだから、過去の自分(ひっくり返った僕)を肯定できるのです。
ということは、ひっくり返った「僕」を嫌っていては(成功にこだわっていると)幸福になれないことになります。
例えば、芸能界。
成功にこだわり過ぎるとメンタルが不調に陥りやすい
櫻坂46の松平璃子さんが、卒業を発表しています。心と体のバランスを取るのが難しいとコメントをしました。
心と体のバランスが取れなかった原因が気になります。
櫻坂46の1stシングルのオンラインミート&グリート(ファンとの個別ビデオ通話)の申し込み状況が芳しくなかったからでしょうか。
それが事実ならば、成功(人気)にこだわり過ぎてメンタルの調子を崩したように感じました。
松平さんは、MVのタイトルで、ひっくり返っている「僕」と言えます。
卒業はもったいないです。
なぜなら、櫻坂46は、改名して紅白に出場するなど好調な再スタートを切ったからです。
ジャカルタで活動するJKB48は、コロナ禍で集客が思うようにいかず全メンバー65人のうち、26人がリストラされることになりました。
松平さんは、そんな状況ではないのですから、いつか自分を好きになる日が来るのではないかと残念に感じました。
『僕は僕を好きになる』アニメバージョンMV
『僕は僕を好きになる』アニメバージョンMV/あらすじ
主人公は、エアバイク部の女の子。練習中に、単独事故を起こし怪我を負ってしまった。
電車の中で、悲痛な表情を浮かべてスマホを眺めている。スマホのメモ帳には〈キライキライキライ〉
部室にも、やめたいと紙のメモに書き残している。3人の部員仲間から距離を置いた。
そんな主人公を、部員が電車で遠巻きに見つめている。
主人公は、自宅でも寝込んでいる。部屋の写真立てには、主人公が、3人の仲間に囲まれて笑っていた。
ひとりの部員が、部員室で落ち込む主人公に、手を差し出した。主人公は、3人の仲間とともにエアバイク部の活動を再開。
笑顔を取り戻した。
『僕は僕を好きになる』アニメバージョンMV/感想
アニメバージョンのMVを観て、【心が折れると恵まれた環境にいることを忘れてしまうなあ】と感じました。
そう思ったのは、電車で落ち込む主人公を、部員が心配そうに眺めていたからです。
部員は、ロッカールームで肩を落としている主人公に手を差し出しました。
その結果、主人公は立ち直っています。
この場面が、以下の歌詞で表されていると感じました。
今の場所 受け入れればいい そんなに嫌(いや)な人はいない やっとわかったんだ 一番嫌いなのは自分ってこと 僕は僕を好きになる
三木清が言った「幸福が存在に関わった」瞬間です。
実写版MVの楽曲タイトルでひっくり返った「僕」を「僕」が好きになったところでもありますね。
『僕は僕を好きになる』の選抜メンバーとフォーメーション
『僕は僕を好きになる』は、26thシングルの表題曲です。
なので、全タイプ(TYPE-A〜D、通常盤)に収録されています。歌詞は、秋元康さん。
選抜メンバーとフォーメーションは、以下の通りです。
選抜メンバーとフォーメーション
三列目/新内眞衣、清宮レイ、田村真佑、星野みなみ、筒井あやめ、岩本蓮加、高山一実
二列目/松村沙友理、遠藤さくら、大園桃子、堀未央奈、与田祐希、賀喜遥香、秋元真夏
一列目/生田絵梨花、梅澤美波、山下美月、久保史緒里、齋藤飛鳥
センターは、山下美月さん。
彼女を両脇から支えるフロントメンバーが、同期の梅澤美波さんと久保史緒里さんです。素晴らしい配置です。
久保史緒里さんに、MVアニメバージョンの主人公が重なった
1/30に配信された乃木坂46「SNS横断フェス」では、久保さんが嬉し涙を流していました。
山下さんと梅澤さんから温かい言葉を投げかけられたのです。
山下さんは「グループをいつも見ていてくれてありがとう」と声をかけています。
乃木坂のメンバーになって忙しくても、久保さんがグループ全体を気にかけていることを褒めていました。
梅澤さんは「自信は、ついたと思うよ」と言いました。久保さんは、いつも泣いている……でも『僕は僕を好きになる』を披露した歌番組での久保さんは、自信満々だったとのこと。
同期の絆を感じました。
優しい言葉を掛けられた久保さんは【幸福が存在に関わった】と言えます。
そして、彼女にアニメーションMVの主人公が重なりました。
最後に
卒業を発表した櫻坂46の松平さんも、メンバーに手を差し伸べられたはずです。
でも、【幸福が存在に関わった】とはならず……残念です。