夢に向かって、がむしゃら
タイトルを目にして、何にがむしゃらになっているのだろう?と疑問を持ちました。
次の歌詞で、夢に向かってがむしゃらに走っていることが分かります。進路や就職先に悩んでいる学生の主人公を想像しました。
・制服を脱ぐその日がやって来るまで僕たちはこの道を走り続けるんだ。どれくらい前に進んだかもわからずどこへ向かっているかさえ知らされてないけどやるしかねえ
・夢を見たあの場所は近くなのかな
制服を脱ぐその日とは、卒業のことですね。そして、この道がどんな道なのかは具体的に書いてありませんでした。
学生が主人公なので、この道の先にあるのは、希望の大学や就職先と言えます。
中には、海外でボランティアしたいという学生もいるかもしれません。
歌詞に、どれくらい前に進んだからわからずとありました。主人公は、自分が選択した希望の進路に到達できるか自信を持てていないように見受けられます。
その時に、希望の大学に進学しているか、就職しているか分からないけれども、やるしかねえので!と覚悟を決めていると解釈しました。
高校生の半分は、不安を抱いている
(社)全国高等学校PTA連合会と(株)リクルートによる 「高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2007)のデータに『進路を考える時の高校生の気持ち』というものがあります。
これによると、自分の可能性に楽しさを見出している高校生は、24%です。
一方で、将来どうなってしまうのか不安を抱いている高校生は、約半数とのことです。
もちろん、将来の見通しが立たなくて弱気になるのは社会人でも同じです。ここで、夢が叶うのか?という不安だとか、生計を立てられるのか?という心配を拭い去りたくなりますね。
不安だけどやるしかねえので!と言って『ただがむしゃらに』夢にまい進するのも1つの手ではあります。
終わりに・・・やるしかねえので!と腹をくくるのは大事だが、楽しさも重要
『ただがむしゃらに』の主人公は、学生でした。そして、夢を抱いているが、不安も感じています。
この不安が、個人的に気になりました。不安を感じていては、夢を叶えることは難しいと思ったからです。
将来に不安を感じる目標より、今に没頭しろと言ったのは、アリストテレスでした。彼は、将来の目標に焦点を当てて行動することを「キーネーシス的な行為」と呼んでいます。
ここで、制服を脱ぐその日がやって来るまで僕たちはこの道を走り続けるんだという歌詞が「キーネーシス的な行為」だとみなすことができます。
アリストテレスは、「キーネーシス的な行為」ではなく、今に没頭する「エネルゲイア的な行為」の方が不安が解消されやすいと考えました。
そういったことで、やるしかねえので!と『ただがむしゃらに』やらざるを得ない夢は、自分が成し遂げたいことなのか、もっと楽しい夢があるのではないか?と立ち止まる必要があるとも思いました。 終わり
『ただがむしゃらに』は、2020年9月に発売された日向坂46のファーストアルバム「ひなたざか」Type-Bに収録されている新曲です。
作詞は、秋元康さん。