「ナゼー」と疑問を持つ主人公は、向上心が高い。彼の前向きさを見習おう
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また、明日へ明日へ歩いたって現実が邪魔をするんだ、という歌詞もありました。
これらの歌詞から『ナゼー』の主人公である「僕」は、現実に心が折れかかっていることが分かります。
ですが、「僕」は、夢を諦めていません。なぜなら、以下の歌詞があるからです。
浮かぶ浮かぶ疑問たちよ どんなこと今知りたいのか 全て全て教えてくれ 無視出来ない向上心だ
「僕」が抱いた疑問は、向上心の証ということが分かりました。自分を卑下するような疑問を向上心と考えることは難しいからです。
我々も、「僕」のように、夢が描けない現実に苦しんでいることでしょう。そんな時に注意しなければならないのは、ネガティブな気持ちです。
煽り運転をした人が逮捕されたという報道を見て、なぜ煽るのだろう?と考えることは問題ありません。
ですが、自分の置かれた境遇に疑問を持ったら、注意が必要でした。
・ナゼ収入が低いのだろうか?
・ナゼ女性にモテないのだろうか?
といった疑問に答えを見出すのは難しいからです。自分の存在理由を考えるのは良いですが、危険なのは、収入が低いから自分は駄目だと悲観したり、女性にモテない自分を卑下することでした。
『自殺対策白書 2019』によれば、未成年の自死は、2年連続で増加しています。
自死する動機のワースト1位は、学校問題でした。進路の悩みと推測できます。
もちろん、「僕」のように、ナゼーナゼー花は咲くのだろうナゼーナゼーきっと理由がある(忘れそうな一番大事なこと)と考えて、ネガティブモードを断ち切ることは難しいでしょう。
ですが、自分のネガティブな境遇のせいで生じた疑問に囚われ過ぎるのは、危険です。
自分を卑下することのない「僕」の前向きさを見習う必要がありました。
「僕」の前向きな態度で、カーネマンの言葉【できない判断は保留すべき】を思い出しました。
私は、カーネマンの言葉を、『夢を実現できなかったことに負い目を感じて、すぐに行動を起こそうとするべきではない』と解釈しています。
いわゆる「過剰に空気を読むな」ということになります。
希望の学校に進学できず、就職もしていない状況は、確かに不遇ですが、社会の目を気にする必要はないのです。
社会の目を気にしすぎると、自分の存在理由を突き詰めて破綻してしまいます。だから、カーネマンは「過剰に空気を読むな」と言っていると解釈しました。
そして、『ナゼー』の主人公である「僕」は、敢えて過剰に空気を読まないように意識していると感じます。
まとめ
歩いている「僕」を邪魔する現実が何なのかは、歌詞では分かりませんでした。確かなのは、諦めモードに陥りかけた「僕」が、すぱっと花に目を向けていることです。
なぜなら、ナゼーナゼー花は咲くのだろうナゼーナゼーきっと理由がある(忘れそうな一番大事なこと)、という歌詞があるからでした。
「僕」は、花が美しい理由を考えることによって、ネガティブモードに陥らないですんでいるのではないでしょうか。 終わり
■ナゼー■
FACTORY『ナゼー』は、日向坂46の4枚目のシングル「ソンナコトナイヨ」(2020)の収録曲でした。歌詞は秋元康さんです。
FACTORYは、日本テレビのドラマ「DASADA」に登場するユニットでした。
メンバーは、おちょこ(松田好花)、ぐいのみ(東村芽依)、トックリン(河田陽菜)の3人です。
メンバーは、おちょこ(松田好花)、ぐいのみ(東村芽依)、トックリン(河田陽菜)の3人です。