歌詞の意味を考察
前髪パッツンでも可愛いものは可愛いのだ
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身から出た錆とはいえ、前髪パッツンという悲劇に見舞われて肩を落とす「君」を見て、主人公の「僕」は、ソンナコトナイヨ 僕はそう思わない、と考えているのでした。
ここで、冒頭の、窓のカーテンを膨らませた まるで君が拗ねた時のほっぺみたいに、という歌詞を振り返ると、片思いの女の子が手鏡を覗いてほっぺを膨らませている画が浮かびます。
「僕」は、前髪を気にしている「君」の仕草が愛しいのでしょう。手鏡をじっと睨んでいたり、角度を変えたり、おでこを出してみたり、溜息をついたり、机に突っ伏したり、自分を笑ったクラスメイトを追いかけたり、先生に励まされたり、とそういった画が想像できました。
それらの時間の経過が、さっきまでの日差しと影 教室の床は光の地図、と表現されています。
その歌詞と、一秒ごとに変わって行くよ 思春期の気持ち、という歌詞から、「僕」は登校から放課後まで「君」を意識していることが分かりました。学生時代の恋を思い出します。
ここで、気になるのが、「君」が嫌がっている奈良美智氏の絵でした。私、のら猫ひろしは、教養がないので、ピンときていません。
ですが、ググってみると、漫画チックな画が出てきて、どこかで見たことがある画です。
奈良美智の絵
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彼が2009年に、ニューヨークのBarの壁に書いたイタズラ書きに数億円の価値があるとざわついたことがあったようです。
奈良氏の作品「ナイフ・ビハインド・バック」が26億円で落札されたことを考えれば、確かに、その落書きは貴重と言えました。
奈良美智氏の絵で、前髪パッツンは、「Slash With a Knife」(1998)の表紙になるでしょうか。見ようによっては、前髪を切りすぎて不機嫌な少女の絵になっています。
「君」は、「Slash With a Knife」の女の子みたいだと言われて、落ち込んでいるのでした。
確かに、「Slash With a Knife」の女の子は、歌詞の、他にいないから君しかダメなんだと表現せざるを得ないくらいに個性的と言えます。
でも、個性的だからと言って、「僕」の恋心が萎えるかと言えば、ソンナコトナイのでした。前髪パッツンであっても、顔面偏差値が下がることはないのですから。 終わり
■ソンナコトナイヨ■
『ソンナコトナイヨ』は、日向坂46の4枚目のシングル(2020年2月発売)になります。歌詞は、秋元康さん。