歌詞の意味を考察・・・主人公が、かつての恋人を「その女」と呼ぶ理由
「その女」は、恋愛関係が終わっているのに、世間話で主人公を二時間半拘束する
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一人の女性を巡って、主人公と男友達が火花を散らす画が、思い浮かびます。
ですが、歌詞を追うと、「僕」は、誰かと争っているわけではありませんでした。
昔の恋人 話くらい聞いてあげなきゃ、という表現があります。
「その女」は、主人公の恋人ではないかという推測も、あながち間違いではありませんでした。
ここで、気になるのが、そのという表現です。
そのからは、「僕」に近いところに存在しているだけのモノを、指し示しているような冷ややかさが感じられました。
ということは、「僕」は、目の前に現れた昔の恋人に会っても嬉しくないことになります。
次の歌詞からも、「僕」がネガティブな気分にあることが分かりました。
二時間半 そのひとは僕の時間奪っただけで 一体何をしたかったのか わからないよ
時間を奪われていると考えていますから、「僕」は、「その女」の誘いに乗ってあげているという感覚を持っているのでしょう。
一方で、「その女」が、かつての恋人である「僕」に、二時間半に渡って世間話に付き合わせるのは何故でしょうか。
彼女の目的は、次の歌詞で分かりました。
僕の前のそのひとは 何かつぶやき涙ぐんで ぼんやりと窓の外なぜ眺める?
「その女」は、「僕」に未練があるのです。
「その女」が、かつての恋人である「僕」を喫茶店に誘うのも、二時間半の世間話に付き合わせるのも、本当はヨリを戻したいからだと解釈できました。
「僕」と無駄話しかできないから、彼女は涙ぐんでいるのでしょう。
ガラスの向こうに白い雪が降り始めた、という歌詞がありますから、「その女」は「僕」とクリスマスを一緒に過ごしたがっているように感じました。
「僕」に新しい恋人がいるのではないでしょうか。
それを踏まえると、彼女の「ごめんあなたの相手とかしてられない」という言葉が、強がりであることが理解できます。
もちろん、二時間半も世間話に付き合わされた上に、相手にしてられないと言われたら、当然「その女」と冷たい呼び方になるのも、仕方がないことでした。
ですが、「その女」の恋心に気づかない「僕」には、鈍感にも程があると突っ込みを入れたくなります。
終わりに
「その女」と突き放したような呼び方になるのは、主人公が彼女に呼び出されて二時間半の世間話に付き合わされる理由が、思い当たらないからでした。「その女」が、かつての恋人である主人公を呼び出すのは、本当は元の鞘におさまりたいからだと解釈できます。
ですが、主人公は、女性の恋心に気づかないほどに鈍感な人間でした。 終わり
■その女■
乃木坂46アンダー曲『その女』は、アンダーアルバム「僕だけの君」(2018)に収録されています。
歌詞は、秋元康さんでした。
歌詞は、秋元康さんでした。