歌詞の意味を考察・・・主人公にとっての釣り堀とは何か
気分屋の恋人に振り回されたことで疲れた心を、リセットする所
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なので、別れた恋人との思い出に胸を痛めている主人公を、想起します。
歌詞を追うと、主人公は恋人と別れたわけではありませんでした。
あなたからの電話なんか待ってなくても もう寂しくない 一人きりの過ごし方をやっと見つけたんだ、という歌詞があります。
確かに、「あなた」からの電話がなくても 寂しくない、という表現は、失恋を思わせました。
ですが、続く歌詞に、サボってみよう 心をちょっぴり 愛しているばかりじゃ疲れちゃうよね、という表現があります。
このことから、「あなた」と別れたのではなく、むしろ、「あなた」と情熱的な時間を過ごしたい「私」だと思いました。
でも、彼は冷めた性格で気分屋なのでしょう。「あなた」の気分によって、連絡が来たり来なかったりということで、「私」は気疲れしています。
あるいは、喧嘩をした「私」は、釣り堀で頭を冷やしているのかもしれません。
いづれにしろ、主人公にとって「釣り堀」は、一方的な愛情表現を送ることに疲れた「私」が、気持ちをリセットする場所だと解釈しました。
気まぐれな「あなた」と「釣り堀」の魚が似ていると思います。
魚は、餌を投げ込んだところで、釣れるとは限らないので、気まぐれな性質だと思いました。
魚たちにだって事情があるのかも 気が向いたら私のこと構ってくれるでしょう、という表現は、「あなた」に関心を持って貰えない寂しさが、投影されていると思います。
「私」も、それを自覚しているから、魚のように生きてる それでも待つしかない 愛は気まぐれなもの、という歌詞のような境地にあるのでした。
終わりに
「釣り堀」は、「魚たちのLOVESONG」(2015) の世界観に通ずると感じます。「魚たちのLOVESONG」 の主人公も、失恋したことで、暗い底に沈んでいるかのような気持ちになっていると解釈できました。
そんな主人公は、歌詞を借りれば、閉ざされた世界でも 愛のうたを歌いたい、という心境にあります。
そんな心持ちが、「釣り堀」の、それでも待つしかない 愛は気まぐれなもの、という歌詞から滲み出る孤立感に似通っていると思いました。
ただ、彼に構って貰えない上に、釣り堀の魚にも相手にされないのは切ないです。
せめて、魚だけでも塩焼きにして食らい付かせてあげたいと思いました。 終わり
■釣り堀■
乃木坂46 西野七瀬「釣り堀」は、14thシングル「ハルジオンが咲く頃」(2016)のカップリング曲でした。
歌詞は秋元康さんです。
歌詞は秋元康さんです。