【歌詞考察】乃木坂46「やさしさとは」。タイトルの真意を考える | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

【歌詞考察】乃木坂46「やさしさとは」。タイトルの真意を考える

歌詞の意味を考察・・・タイトルの真意とは何か?


「僕」は、自分を振った「君」に示す「やさしさとは」が分からない


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やさしさは、思いやりがあるとか親切のことでした。

ですが、乃木坂46楽曲の世界観を考えると、ストレートに「やさしさとは」思いやりがあることだ、とはならないと思います。

では、「やさしさとは」に続く言葉とは何でしょうか。

4枚目のシングル「制服のマネキン」(2012)のカップリング曲に「やさしさなら間に合ってる」がありました。

「やさしさなら間に合ってる」の主人公は、恋人に振られています。そして、自分を振った恋人のやさしさを辛く感じていました。

なぜなら、恋人に未練があるのに、やさしくされると忘れることができないからでした。

だから、「やさしさなら間に合ってる」と虚勢を張ることで、恋人への未練を残すまいとしているのです。

それを踏まえると、「やさしさとは」に対する疑問に対して、時に残酷なこともあると言えました。

果たして、7枚目のシングルのカップリング曲である「やさしさとは」の世界観はどういったものでしょうか。

「僕」は、「君」が、西洋梨を落とすところを目撃しています。

彼らの関係性が気になりました。

ラ・フランスが転がった 不意のサヨナラなんて 心の端っこから落ちた

この歌詞で、「僕」は「君」に振られたことがわかります。

しかも、不意のサヨナラ、という歌詞ですから、「僕」は「君」に振られたことを納得していないのでしょう。

でも、振られたことを忘れてしまうくらいに、西洋梨が落ちたことに驚いたことになりました。

そして、愛を客観的に語ることなんて そう 今の僕にはできやしない、という歌詞があります。

この歌詞で、「僕」は、「君」に振られたことに納得していないことがわかりました。

だから、声をかけないまま君を見送るだけ・・・思い出すのはやめにして孤独を選ぼう、という歌詞のような行動を取ることになるのです。

緑色のラ・フランス

もちろん、落ちた西洋梨を拾うか拾わないか、どちらがやさしいのかということではありません。

かつて自分を振った元恋人に対する「やさしさとは」何かを、「僕」は考えていることになりました。

「僕」を振った時の、「君」は泣きじゃくっていたのではないでしょうか。

泣きじゃくりながら、ただ、別れたいとしか言わない「君」だったと思います。

だから、次の歌詞は、振られた時の「僕」の心境だと思いました。

やさしさとは何だろう? 君に駆け寄る速さか それとも落ちた涙を一緒に拾うことか

振られた時に示す「やさしさとは」何かを「僕」は、追想したことになりました。

そして、「僕」が答えを出した「やさしさとは」何かが気になりますが、答えを出すことができていません。

なぜなら、愛を客観的に語ることなんてそう今の僕にはできない、という歌詞があったからです。

できないというのは、「やさしさとは」何かを語ることができないことだと思いました。

ただ、やさしさとは何なんだろう? 君を慰めることか あるいは涙の訳を何も聞かないことか、という歌詞があります。

このことから、「僕」が、自分を振った「君」に示すやさしさは、次の2つだと思いました。

「僕」を振っても気にしないで、と君を慰めるやさしさ。

「僕」を振った理由を聞かない、というやさしさ。

この2つで、「やさしさとは」何かを迷っているのです。

終わりに

自分を振った「君」に対して、どんな「やさしさ」を示すべきだったかを、追想している「僕」でした。

振られた時に、「僕」を振っても気にしないで、と君を慰めるのがやさしさだったのか、それとも「僕」を振った理由を聞かない、というやさしさが必要だったのかを悩んでいると解釈します。 終わり


■やさしさとは■
乃木坂46「やさしさとは」は、2013年の秋に発売された7枚目のシングル「バレッタ」のカップリング曲になります。

歌詞は秋元康さん。