歌詞の意味を考察・・・「私」にとっての渋谷
「私」が現実逃避をする場所
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次の歌詞も、主人公の淋しさを思わせる表現になっていました。
夜が明けたセンター街で 遊び疲れて駅へと向かう 路肩の生ゴミが少し破れて 夢の残り物 カラスたちが狙う
夢は、あることが成就できるよう期待して願望を抱くことでした。
遊び疲れている「私」が、繁華街の残飯を見て、夢が残っていると感じてしまうのは、なぜでしょうか。
遊んでも、遊んでも、「私」の心は満たされていないことになります。
次の歌詞があったことから、満たされない「私」に、ある感情が芽生えたように感じました。
悪いことをしてたんじゃない
夜通しで遊んだ後に、「私」は、生産性のないことをしていることに気づいたのです。
生産性のない時間を過ごして、罪悪感に苛まれているのかもしれません。
では、なぜ「私」は、罪を犯したような気持ちになったのでしょうか。
この時に、彼女の脳裏には、破れた生ゴミに群がり止まったカラスが、掠めたと思いました。
渋谷で気を良くした、不届き者の置土産が散乱していれば、ゴミを捨てていない「私」も、いたたまれない気持ちになります。
そのいたたまれなくて、恥ずかしい気持ちが、「私」を苦しめているように感じました。
だから、次の歌詞があると思ったのです。
なぜだか泣けて来るんだ 空の青さに 道を見失って 声を上げたくなった
「私」の心には、散乱しているゴミのように、拾い切れていない感情があるように感じました。
なのに、視界に入る空は、一片の雲もありません。
「私」は、悲しいから泣けてきて、声を上げたくなったのだと考えました。
しかし、次の歌詞があります。悲しいから泣いているようには思えません。
渋谷だけがいつも私の話を聞いてくれるから・・・渋谷だけがどんな嘘でも本音もさらけ出せるよ
「私」の涙は、渋谷に対する謝意の表れだと感じました。渋谷で現実逃避をすることができるから、孤独に耐えることができていることに感謝をしていることになります。
そのように考えると、生ゴミを夢の残り物と捉えた訳は、「私」の心が満たされないからではなかったことになりました。
心の拠り所である渋谷が、汚れていることに心を痛めていることになります。
終わりに
「渋谷ブルース」の「私」は、現実逃避ができる渋谷に感謝をしていました。欅坂46 平手友梨奈さんのソロ曲「渋谷からPARCOが消えた日」(2016)も、1人で抱え込んでた悩みや迷いをここならそう素直に忘れられる気がした、という歌詞があります。
そう考えると、「渋谷からPARCOが消えた日」の後日譚が、「渋谷ブルース」のように思えてきました。 終わり
■渋谷ブルース■
乃木坂46 WHITE HIGH「渋谷ブルース」は、2012年冬に発売の4枚目シングル「制服のマネキン」のカップリング曲になります。
歌詞は秋元康さん。歌唱メンバーは、WHITE HIGH の白石麻衣さんと高山一実さんでした。
歌詞は秋元康さん。歌唱メンバーは、WHITE HIGH の白石麻衣さんと高山一実さんでした。