歌詞の意味を考察
「僕」にとって「路面電車の街」は「君」への慕情が思い起こされる故郷
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「路面電車の街」が「僕」の故郷でした。
さらに、歌詞は、自慢できるような土産話が無いと続きます。
夢を抱いて「路面電車の街」を出たのに、結果を出せなかったという負い目が「僕」にあるのでした。
そして、「路面電車の街」には、「僕」が特別な感情を抱いている人物がいます。
路面電車がガタゴトと走って行く街は 今も君が歩いているような そんな気がしてしまう
「僕」が、久しぶりに故郷に帰ってきて回想したのが「君」です。
だから、「君」に強い思い入れがあるとわかりました。
さらに、次の回想シーンでは、「僕」と「君」の関係性がわかります。
通り過ぎる窓の景色は あの頃と変わったけど その僕たちが いつも待ち合わせた懐かしい思い出はここだ
待ち合わせた、という表現になっていました。「僕」と「君」は親しい関係にあったのでしょう。
さらに、「僕」と「君」が付き合っていたのではないかと思わせる過去の情景が、次の歌詞だと思いました。
君を乗せて自転車を漕いだあの夏の日のままだ・・・もう僕たちは別々の人生歩いてる現実を思う
この歌詞から、かつての「僕」は「君」に慕情を抱いていたことがわかりました。
ミュージックビデオの齋藤飛鳥さんが抱いたであろう、ヒカリに対する追慕を想起させます。
では、「僕」の目に映る「路面電車の街」は、ネガティブな印象しかないのでしょうか。
次の歌詞で、「僕」は「路面電車の街」を肯定的に見ていることがわかります。
なんでこんなにやさしいのだろう 一度は背中向けた街の夕焼けが 何も言わずに包んでくれた 路面電車は今日もまた 街の中を走り 人の思い運び続けてる
「路面電車の街」の夕焼けがやさしいと感じていますから、「僕」は帰省して良かったと思っていることでしょう。
終わりに
歌詞に登場する路面電車は、「僕」に、かつて抱いていた「君」への慕情を想起させました。だから、路面電車は今日もまた街の中を走り人の思い運び続けてる、という表現が、「路面電車の街」の MV や歌詞における最大のテーマだと思いました。 終わり
■乃木坂46 ユニット曲「路面電車の街」
乃木坂46 ユニット曲「路面電車の街」は、2019年9月に発売の24枚目のシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」の収録曲でした。
歌詞は秋元康さん。
歌唱メンバーは、齋藤飛鳥・堀未央奈・山下美月の3人です。
歌詞は秋元康さん。
歌唱メンバーは、齋藤飛鳥・堀未央奈・山下美月の3人です。
■MVにおける「路面電車の街」■
「路面電車の街」のミュージックビデオが、乃木坂46のOFFICIAL YouTube CHANNEL
で公開されています。MVにおける「路面電車の街」の主人公は、齋藤飛鳥さんでした。
高校時代に仲の良い4人で過ごした「路面電車の街」が斉藤さんの故郷であるという設定になっています。
電車は、4人の通学手段でもありました。そして、仲の良かった4人のうち、ヒカリ(高瀬真奈)が亡くなっています。
ヒカリが亡くなったことで、3人(齋藤飛鳥・堀未央奈・山下美月)は疎遠になっていきました。
3人(齋藤飛鳥・堀未央奈・山下美月)は、5年ぶりに電車で再会します。
彼女たちは、亡くなったヒカリの墓参りのために「路面電車の街」へ帰省したと考えられました。
座席に向かい合って座っていると齋藤飛鳥さんが涙を溜めていきます。
斉藤さんは高校時代を回想しました。チョコレートケーキを顔中に塗りたくられて横たわっている斉藤さん。
彼女を発見して抱きしめたヒカリ。
MVの「路面電車の街」には、歌詞の世界観とは違った切なさがありました。