amazon music はこちら |
歌詞は秋元康さんでした。
「沈黙が愛なら」は、松尾芭蕉の「閑(シズカ)さや岩にしみ入る蝉の声」に通じていると考えました。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は、ひっそりとした山寺に虚しさを感じていると、岩にしみ入るように細いセミの声が聞こえてきた・・・という解釈になるようです。
セミの鳴く声に、寂しさを感じることが理解できると「沈黙が愛なら」に感情移入できると思いました。
歌詞の意味を考察・・・沈黙が愛となる理由とは
関係に終わりを予感しても、価値を認めているなら沈黙も愛である
沈黙は、黙り込むことでした。果たして、口をきかない恋人同士に愛はあるのか、疑問に思います。
ですが、愛は価値を認めることで惹かれる状況にありました。恋愛に限りません。
だから、沈黙したことで恋の終わりを予感したとしても、何らかの価値を見い出せていれば、沈黙は愛だと解釈できます。
冒頭の歌詞には、恋の終わりを感じさせる描写があります。
一番最初に鳴き始めるセミは、一番最後に鳴き止むのかなって・・・君に突然聞かれた
セミは、寿命が1ヶ月ほどと言われているように儚い存在でした。
ここで、「君」は、松尾芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の心境にあると思いました。
沈黙ということは、「僕」と「君」は押し黙っていることになります。
セミの鳴く声が響き渡っているようなイメージがありました。
セミの声に、空虚感を感じているから、「君」はセミについて聞いたのだと解釈しました。
そして「僕」は、どんなことを思ったのでしょうか。
無口が怖かったのか・・・何か話していなきゃ間が持たないと たぶん 君なりにそう思ったんだろう 心が張り裂けそうさ
間を持たすために「君」は言葉を発したと「僕」は考えています。同時に申し訳なさも感じたことがわかりました。
無口であることに罪悪感を感じた「僕」ですが、「君」とこれから、どうしたいのでしょうか。
タイトルには愛があります。「僕」と「君」が恋人の関係にあることは間違いないでしょう。
ということは、関係が続くのか、終わるのかが気になりました。
静寂に支配されたら 喜びと悲しみも感じなくなっちゃうのか? もしそうなら勇気出して 僕は君の目を見て話しかけるだろう サヨナラでも・・・
「僕」は積極的に、関係を終わらせようとはしていません。
ですが、「君」が押し黙ったままなら、沈黙を関係が終わるサインと捉えているようです。
だから、話しかけるだろう サヨナラでも・・・という表現になっているのでしょう。
「沈黙が愛なら」別れても悔いはないと「僕」は覚悟を決めていると解釈しました。
終わりに
りまちゃんちっく(潮紗理菜・加藤史帆・斎藤京子・佐々木久美・高本彩花)の「沈黙した恋人よ」は、口数が減っていったことで、恋の終わりを予感した「僕」の物語でした。【あわせて読みたい】⇒ りまちゃんちっく「沈黙した恋人よ」歌詞考察。沈黙した恋人が意味するもの
なので、「沈黙が愛なら」は「沈黙した恋人よ」に通ずると思います。 終わり