乃木坂46ユニット曲「遥かなるブータン」歌詞考察。思いを馳せる理由 | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

乃木坂46ユニット曲「遥かなるブータン」歌詞考察。思いを馳せる理由

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乃木坂46ユニット曲「遥かなるブータン」は、セカンドアルバム「それぞれの椅子」(2016)に収録されています。作詞は秋元康さん。

また、2016年春に発売された14枚目のシングル「ハルジオンが咲く頃」の収録曲でした。

歌唱メンバーは、生田絵梨花・伊藤万理華・衛藤美彩・斎藤飛鳥・堀未央奈・若月佑美の6人です。

乃木坂46の公式動画サイトでは「遥かなるブータン」のミュージックビデオが公開されていました。監督を伊藤万理華さん、クリエイティブディレクターを生田絵梨花さんが担当しています。この動画によって、ブータン王国に「幸福」という言葉がないことを知りました。似た言葉に気持ち良いという意味の「セムガエ」があるそうです。

歌詞考察・・・ブータンに思いを巡らせる理由

主人公は幸せの場所を求めている

ブータンはどこかで耳にしたことがありました。ですが、具体的な場所は? と聞かれると詰まってしまいます。大雑把に言うと、中国とインドの間に挟まれているネパールの東に隣接していました。

タイトルの意味を考えます。主人公がはるばるブータンにやって来たのでしょうか。そうしますと、単なる観光目的なのか、それとも現地人と結婚を決めた世界観なのかが気になりました。ただし、歌詞を見ると主人公はブータンに思いを馳せているだけのようです。

遥かブータン山の向こうにあると言う人は優しく愛に溢れた国地図を眺めて遠く思い馳せていたいつかあなたと共に訪ねてみたい

主人公が「あなた」と訪ねたい国がブータンということでした。となると、「あなた」との新婚旅行でも考えているのかなと考えてしまいます。ですが、新婚旅行であるなら、もっと楽しそうな表現があるはずだと思いました。例えば、次の歌詞では主人公の心が折れかけているような印象を持ちます。

幸せはどこにある? 何度問いかけただろうここじゃないどこかだと誰もが答える・・・悲しみはいつ捨てる? 涙はどこへ流す? ・・・今日という日に何か夢を見てるか?

のら猫ひろしが残業で疲弊した頃の心境に近いです。ということは「遥かなるブータン」の主人公は精神的に疲れているのではないでしょうか。ハードワークに疲れて、日本を離れたいと思ったのかもしれません。そのように思わないと、歌詞の表現は、地図を眺めて遠く思い馳せていた、とはなりません。現実から目を背けたくて、ここじゃないどこかで疲れを癒したい・・・「遥かなるブータン」・・・となるのでしょう。

また、主人公が「遥かなるブータン」に思いを馳せるようになったきっかけも歌詞にあります。

海を越え道を行け誰かが教え

誰か、が気になりました。この人が主人公にブータンを勧めたのは、恐らく「国民総幸福量」のデータがあったからでしょう。1972年のブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクによって考案された「国民総幸福量」によれば、ブータンの国民の97%が幸福であることがわかっています。

食事ができて寝られる、そして着るものもあるという安心が幸福につながっているのでした。この安心感が心地よいということで「セムガエ(心が気持ちよい)」ということになるのでしょう。

終わりに

ブータン国民の「セムガエ(心が気持ちよい)」が、食事ができて寝ることが可能であるといった基本的な事柄であれば、主人公はそれすらも満たされていないのかということになります。ですが主人公は物質的な幸福には恵まれていると思います。

もし、主人公が食べるものに困る状況に陥っているならブータンに思いを馳せる余裕はないはずです。なので「遥かなるブータン」のメッセージは、精神的な幸福とは何か? と考えました。 終わり