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2ndアルバム「それぞれの椅子」(2016)の収録曲でもあります。
歌詞考察
ぼっちを好む「僕」だけど「今、話したい誰かがいる」
タイトルで、主人公が話したがっていることがわかります。なぜ話したいのか。誰と話したいのか。話したがっている主人公はどういった人物か。色々と疑問が湧きました。冒頭の歌詞で主人公の性格がわかります。一人でいるのが一番楽だった誰かと一緒にいると僕は僕じゃない小さい頃からブランコが好きでシーソーに乗っている時はただ相手に合わせた
「僕」は幼少の頃から群れることに苦痛を感じていたようでした。誰かといると、相手に合わせてしまう習性が「僕」にあるのです。いわゆる八方美人タイプでしょうか。そんな「僕」が僕らしくいられる瞬間が訪れました。それは次の歌詞でわかります。
気づけば君はいつのまにか僕のすぐ近くにいるのに僕は僕らしくそう普通でいられるのはなぜだろう? それが恋と知ってしまったならこんな自然に話せなくなるよ
「僕」が話したい相手は、普通に話せる「君」でした。そして、恋と知ってしまったら話せなくなるということですから「僕」は「君」に恋心を抱いているのです。
そうなると、タイトルの「今、話したい誰かがいる」の背景が理解できました。本来群れることが苦痛なはずの「僕」が浮立っているのです。そして、「僕」の恋心が一方通行かどうかが気になりました。
今までならきっと逃げていただろう君のことを失うのが怖い片思いなら黙っていればいい両想いなら気づかなければいい話したい誰かがいるっていいもんだ
この歌詞で、「僕」は恋心を「君」に打ち明けていないことがわかりました。「君」と両想いだったら・・・ということも「僕」の脳裏に掠めたに違いありません。「君」のことを失うのが怖いから片思いでいい、と考えているから、恋心を打ち明けていないのです。
ですが、今までならきっと逃げていただろう、と表現されています。過去の「僕」は逃げていたけど今の「僕」は逃げないという意味になります。つまり、「君」への告白を決意していると取れました。
終わりに
意中の人に告白する時に脳裏を掠めるのは、断られることでした。失恋することを想定して相手に告白するのですね。
「今、話したい誰かがいる」の「僕」も、かつては、そういった状況を想定して「君」と友達ですらいられなくなることを心配する人間でした。そのまま「君」への想いを秘めていたでしょう。なぜ過去の「僕」は臆病だったのでしょうか。それは次の歌詞でわかります。
目の前にはいつもヒントがあり紛れもない過去の答えがある諦めるなら1人でいいけど夢を見るなら君と一緒がいい・・・何も欲しいと言わなければ永遠に傷つかずに済む僕は何回かそのカサブタを見て学んだ望まない・・・
人間関係を築こうとして失敗した経験が、カサブタと表現されていると思いました。心の傷ですね。それが、過去の答えと表現されていて、過去の「僕」が恋心を打ち明けなかった理由になっているのでしょう。ですが、この歌詞の、目の前にはいつもヒントがあり・・・夢を見るなら君と一緒がいい・・・という表現は「君」への告白を決意しているとも考えました。 終わり