欅坂46平手「渋谷からPARCOが消えた日」歌詞考察。渋谷のPARCOは、どんな存在だったか | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

欅坂46平手「渋谷からPARCOが消えた日」歌詞考察。渋谷のPARCOは、どんな存在だったか

歌詞の意味を考察・・・渋谷PARCOはどんな存在か


主人公が拠り所とした、人生のランドマーク

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渋谷からPARCOが消えた日
主人公は、人生に迷っている設定です。歌詞には、待ち伏せされていた公園通り連れ戻そうと大人が怒るとありますから、家出か深夜徘徊状態でしょう。

どちらかというと人生からのレールを逸脱しているような不良少女を連想してしまいました。

思春期だなあと感じることができます。

また、悲しい時は涙を我慢しながらあのファッションビルをいつだって見上げてたとありました。

主人公は、渋谷PARCOを心の拠り所としていたのです。

ランドマークは、本来、方向感覚の目印という意味でした。

方向感覚のない、のら猫ひろしにふさわしい言葉です。ですが、人生に迷っていた思春期に渋谷PARCOがあった、寂しい時にそこへ行っていたという記憶は、まさに青春のシンボルで、ランドマークと言えるのではないでしょうか。

「渋谷からPARCOが消えた日」はまさに、青春のシンボルであるランドマークとして渋谷PARCOを登場させています。

渋谷PARCOが、心の拠り所としてのランドマークとすれば、青春のシンボルと考えて良いですね。しかし、期間限定と言えども消えてしまいますが、主人公は悲しんでいるわけではありません。

斜め上から撮った渋谷交差点

歌詞には、ちゃんと、一度消えてしまったものが、形になる日のことを思いだすでしょうと、あります。

ここで、本来は、方向感覚の目印でしかないランドマークを青春のシンボルとしたことで、主人公が得られたものがわかりました。

それは、追憶や回想をすることによって将来に対する影響が好ましいものになることです。

サザンプトン大学の研究によって、懐かしい出来事に対する記述と、日常的な出来事に対する記述では、前者の方が未来に対して肯定的な展望を書いていることがわかりました。

もちろん、過酷な過去を持っている方であれば、追憶とはなりません。そうなると、未来に対しての態度も明るいものにはならないでしょう。

良い思い出がなかった場合どうすれば良いでしょうか。

それは、過去の良し悪しを判断するのではなく、今を生きていることに意味を持たせることになります。

もちろん、過去を忘れることはできません。辛い過去を経験して今を大切にするのは難しいことです。

ですが、今の自分に意義を見出せることができれば、未来に対する態度を肯定的に捉えることができると思いました。

終わりに

過去を振り返った時に、青春のシンボルとして渋谷PARCOが思いうかべば、それは人生における目印として、ランドマークの意味合いがあるのですね。

さらに、サザンプトン大学の研究によって、追憶が未来を肯定的なものにすることがわかりました。

これは、「回想法」といって、実際に認知症の進行を抑制させる心理療法として存在します。

過去の記憶が現在の自分を肯定する、そして未来に明るい展望をもたらすという考え方は素敵でした。 終わり



■渋谷からPARCOが消えた日
「渋谷からPARCOが消えた日」は、欅坂46平手友梨奈さんのソロ曲第2弾です。

2016年夏に発売のセカンドシングル「世界には愛しかない」の収録曲でした。作詞は秋元康さん。