欅坂46「黒い羊」のMV考察その2。黒一色の人物は誰なのか | のら猫ひろしが坂道のぼる (のら猫ひろし)

欅坂46「黒い羊」のMV考察その2。黒一色の人物は誰なのか

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欅坂46「黒い羊」の作詞は秋元康さんです。「黒い羊」のMVを、パソコンで2,3回見ました。

初見の時は、画面が小さいということもあって、気づかなかったことがあります。

テレビ東京の「欅って、書けない?」で「黒い羊」のコマーシャルが放映されていました。

平手友梨奈さんが彼岸花を持って、事故現場のチョーク・アウトラインを眺めるシーンです。

そのシーンの隅で、フードを被った人がうずくまっていました。また、平手さんが、メンバーたちと抱擁していくと、黒一色のフード付きロングコートが画面からはけていきます。

事故現場のチョーク・アウトラインのシーンで、フードを被ってうずくまる人物が誰なのか。

平手さんがメンバーたちと抱擁している時に、はけていく黒一色の人は誰なのかが、気になりました。

ミュージックビデオ考察


黒一色の人は、冥府からの使者か

舞台がこの世ではないことを考えると、この黒一色の人は、あの世からの使者ではないでしょうか。

「黒い羊」のMVのオープニングでは、人型のチョーク・アウトラインに沿うように彼岸花が散っていました。

それを眺める平手さんは。彼岸花を手にしています。そのまま、大人と、いがみ合っていたりする欅坂46メンバーを突き放しては、抱擁していきました。

平手さんと同じ闇を抱えていることを想起させる欅坂46メンバーのシーンです。

特に、バスタブで手首を押さえる小池美波さんには、胸が締め付けられました。

そして、平手さんは、幼少期の思い出をたどるように、誕生日を祝っている2人の大人と1人の子どもの横を通り過ぎます。

また、子どもの写真を見下ろすカップルもいました。屋上に向かう階段を昇っていくと、子どもがいます。

平手さんは、自身と同じ衣装の子どもから彼岸花を渡されました。そして、屋上へ向かいます。

平手さんが辿る生い立ちが重い

彼岸花の別名である、曼珠沙華は、天上に咲く花であることから、この世ではない舞台を意味しているのでしょう。

人型のチョーク・アウトラインも、誕生日ケーキに息を吹きかける子どもも、平手さんだと思いました。

また、若いカップルが見下ろす写真の子どもも、階段で彼岸花を手渡す衣装が同じ子どもも、平手さんでしょう。

チョーク・アウトラインは、すでに亡くなっていることを思わせます。

そして、誕生日ケーキは、幸せだった頃の回想だと思いました。

誕生日を祝ってくれる優しい両親に対する申し訳なさが、演出されていると思います。

子ども時代の平手さんの写真を見下ろす若いカップルは、平手さんの実の親でしょうか。

そうすると、誕生日を祝ったのは優しい里親と考えられます。全てが、複雑な生い立ちを、想起させるシーンでした。

養子という複雑な環境にあって、学校でも上手くいかなかったのだと思いました。

だから、歌詞にあるように、僕だけがいなくなればいいんだと叫んだと考えます。

終わりに

現実でも、負の感情をこじらせていいことはありません。負の感情によって、人は蝕まれて最悪の結果を選んでしまいます。

だから、この僕がいなくなればいいんだとか、僕のせいだという負の感情を、MVでは、黒一色の人で表現していると思いました。

つまり、黒一色の人は、冥府からの使者と考えます。

MVにおいて、欅坂46メンバーが平手さんと抱擁している場所は、この世ではありませんでした。

そして、平手さんが、欅坂46メンバーを抱擁すると冥府からの使者は、画面からはけていっています。

これは、欅坂46メンバーが成仏できたのだと感じました。   終わり



■黒い羊■
「黒い羊」は、2019年2月に発売された8枚目のシングルでした。

歌詞は秋元康さんです。




追記 2019.2.25


「黒い羊」監督 新宮良平氏のインタビュー

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BRODY2019年4月号に、「黒い羊」の監督 新宮良平氏のインタビューが掲載されていました。印象的だったのは、当初は幼少期の「僕」の誕生日を祝うシーンはなかったのに、平手友梨奈さんが明るいものが欲しいということで、追加されたという話です。

そして平手さんに持たせた彼岸花は、「僕」から「僕」への弔いであったり、「僕」の心に宿る灯り火という意味があったようです。実際に、新宮監督は、平手さんに彼岸花を「僕」の心だと説明したそうです。

MVを見返すと、平手さんは、1階から彼岸花を持って、2階では「全部僕のせいだ」と落としていますね。そして、階段で過去の「僕」から受け取った平手さんは、それを持ったまま屋上に向かいます。

平手さん演じる「僕」が、2階の回想シーンで泣いていました。子どもの「僕」の誕生祝いをするシーンを過ぎたあたりですね。ここで、過去が辛い記憶かなと思っていました。ですが、平手さんのアイデアで楽しいものを・・・ということで、誕生日を祝うシーンが追加されたということです。そうなると、幼少期は、良い思い出ということになりますね。回想シーンを過ぎて、彼岸花を落としているということは、楽しかった過去に比べて現在が辛いものであるということを意味しているのでしょう。

演技指導を全くしていない

また、新宮監督は演技指導を一切していないとも答えています。斎藤冬優花さんがペール缶を投げ捨てて叫ぶシーンも、小池美波さんがスマホを見て口角を上げるシーンも全てアドリブだったとのことです。

テレビ東京「欅って書けない?」の「黒い羊」ヒット祈願の滝行において、斎藤冬優花さんと小池美波さんがグループに貢献できないと泣いていました。ですが「黒い羊」で演技をアドリブでできていますから貢献できていないと考える必要はないでしょう。

また、滝行をするメンバーを決める話し合いでは、佐藤詩織さんもグループに貢献できていないと言いながら泣いています。彼女たちは2015年の坂道第2弾グループオーディションの応募者数2万2千人を勝ち抜いていますから役に立っていないと考える必要はありません。 追記終わり